
- 女性に多い片頭痛 経済的損失は数兆円⁉
- 個人差が大きい片頭痛の症状や原因
- 片頭痛の治療方法は2種類
- 片頭痛で外来受診した場合の診療
- まとめ
女性に多い片頭痛 経済的損失は数兆円⁉
片頭痛は女性に多く発症し、特に30代前後に多いとされています。このため仕事をしている方や育児をされている方でお悩みの方が多いという印象です(もちろんこれ以外の年代の方、男性の方にも発症します)。なお15歳以上の片頭痛の有病率は約8.4%と報告されているので、約10人に1人の割合で頭痛にお困りの方がいるとも考えられます。これはクリニックの外来をしていても頭痛に困ってくる方が結構いるので、体感とも一致していると思います。
頭痛は恐らく誰もが一度は経験したことがある身近な症状でありながら、苦痛が強い症状でもあります。頭痛による経済的損失は数兆円に上ると言われているだけに、その適切なコントロールが自身の身体面以外に経済面でも大事であると言えます。
個人差が大きい片頭痛の症状や原因
【主な症状】
・脈打つような頭の痛み
・自律神経症状(吐き気、嘔吐、下痢、発汗、めまいなど)
・光や音への過敏性
前兆として視覚的な異常(キラキラした光やギザギザの光)や感覚異常、言語障害などが頭痛の前に現れることがあります。
【原因】
片頭痛の正確なメカニズムは完全には解明されていませんが、以下のような内容が原因・誘因といわれています。
・身体的精神的ストレスやその解放
・睡眠の過不足
・女性ホルモンの変動
・天候や気圧の変化
・強い光、音、匂いなどの刺激
・特定の食品の摂取、アルコールやカフェインの過剰摂取
片頭痛の治療方法は2種類
片頭痛の治療方法には大きく分けて2種類あります。
1つは頭痛が起こった場合に痛みをとるための治療です。
もう1つは頭痛を起こりにくくし、頭痛が起こった場合でも痛みが軽くなるようにしたり鎮痛薬が効きやすくするための予防治療です。
治療は飲み薬による治療が最初に選択されます。ただし、どの薬剤を選択するかは病状、既往歴やライフスタイルなどにより変化しますので、片頭痛に詳しい脳神経内科や脳神経外科の医師と相談し最適な治療薬を選択していくことが重要です。
なお近年になり注射製剤による治療も開始されています。こちらも医師とよくご相談の上で検討していくと良いです。※注射製剤による治療は実施に条件があるため、当院では専門施設をご紹介しております。
片頭痛で外来受診した場合の診療
片頭痛で外来受診された患者様には、頭痛の病歴についてお話を伺います。これは「頭痛」という言葉一つとっても、色々なパターンがあるためです。例えば次のような訴えを聞くことがあります。
・1ヶ月の半分くらい頭痛症状が出る方
・天候の変化により頭痛症状が出る方
・生理中もしくはその前後で頭痛症状が出る方
・頻繁には出ないが、一回頭痛が出ると痛みが強い方 など
このように頭痛がどういった形で出現し、どう頭痛で困っているかは各人によって違います。また治療目的も「頭痛がなるべく出ないようにしてほしい」から「痛みの程度が我慢できるくらいなら良い」というように違う場合もあります。
まずはお話を伺い患者さんと医療者で現状認識を共有し、最適な治療に繋げていくことが重要と思っています。なお、病状やお話を伺った結果としてCTやMRI検査と言った頭部の画像検査を提案する場合があります。例えば、普段とは明らかに違った痛みを伴う頭痛がある場合や麻痺を伴う場合などは脳出血や脳腫瘍と言った病気を疑うためです。実施するかどうかは医師とよく相談することをおすすめします。
※当院では、画像検査を行う場合は専門施設をご紹介しております。
まとめ
女性に多いとされる片頭痛ですが、私の体感としてもお困りの方は本当に多くいらっしゃると思います。
片頭痛は個人差が大きく、誘因や症状の現れ方も人それぞれです。症状が頻繁に起こる場合や日常生活に支障をきたす場合は、医療機関での診断と適切な治療を受けることをおすすめします。
当院ではしっかりお話を伺い、患者様と相談した上で個人に合った最適な治療を提案できるよう心がけてまいります。お気軽にご相談ください。