
- 動脈硬化とは
- 血管(頚動脈)エコー検査で分かること
- 検査の流れ
- 動脈硬化があったらどうする?
- まとめ
動脈硬化とは
動脈硬化は文字通り動脈が硬くなることで、血管の内側にプラークと呼ばれる脂肪等の塊が形成され、その後血管の弾力性が失われ血管の中が狭くなります。身近な現象に例えると水道管に水垢や油の塊がこびりついて水の流れが悪くなる状況と似ています。
動脈硬化の主な原因は生活習慣病(高血圧・高コレステロール血症・糖尿病)・喫煙・加齢などとされています。
動脈硬化のイメージ図

プラークという脂肪等の塊の一部が剥がれ落ち、その先にある脳や心臓の血管を塞いでしまうと脳梗塞や心筋梗塞となります。また、弾力を失った血管は簡単に破けてしまうため脳出血などを引き起こします。
動脈硬化を放置していると主に脳や心臓などの重篤な疾患を引き起こす可能性があるため、まずは動脈硬化を早期発見し進行予防に努めることが大切です。
血管(頚動脈)エコー検査で分かること
血管(頚動脈)エコー検査は、首にある頚動脈という血管の状態と血液の流れをエコーで確認する検査です。エコーとは超音波を体にあて、その跳ね返りを映像にして見る検査です。レントゲンのように放射線は使わないため、体に害がなく痛みもない安全な検査です。
頚動脈は比較的太い血管であり、エコーで見ることで動脈硬化の有無が分かります。
頚動脈は脳に続いているため、動脈硬化があると脳梗塞を起こす確率が上昇します。そのため、脳梗塞を引き起こす前から頚動脈の動脈硬化の有無を確認しておくことが非常に重要です。
検査の流れ
1.ベッドに横になる
2.ゼリー状の透明なジェルを首に塗る
3.プローブという機械を首にあて左右それぞれ頚動脈の状態や血液の流れを確認する
4.ジェルを拭き取って検査終了
5.結果説明
検査所要時間(結果説明含む) 約10分~20分
検査に使用するジェルが衣類に付着する可能性がありますので、汚れてもよい服でお越しください。
動脈硬化があったらどうする?
<動脈硬化があり血管が狭くなっている場合>
プラークの状態や狭窄の程度を確認するため追加検査を行い、手術やカテーテルによる治療を行う場合があります。
血液の通り道が狭くなっていると脳の血流低下やプラークが剥がれるリスクが高くなるため、血流がどの程度保たれているか・プラークは剝がれやすい状態かなどを確認することが重要です。
<動脈硬化があり生活習慣病がある場合>
高血圧・高コレステロール血症・糖尿病等の生活習慣病がある場合はその治療を継続していきます。動脈硬化がある場合は生活習慣病の治療をより厳格に行う必要があります。
治療内容は病状により変化するため、担当医へご相談ください。
当院でも動脈硬化がある方の生活習慣病治療を行っております。
<動脈硬化があるが血管が狭くなっていない場合>
動脈硬化の程度と年齢・既往歴・生活習慣等を総合的に考えて以下のような治療を提案します。
・定期的な血管(頚動脈)エコー検査
・現状よりも動脈硬化が進行しないよう投薬治療を行う
まとめ
動脈硬化は生活習慣病・喫煙・加齢などによって起こる動脈が”硬くなる”ことです。
進行すれば脳や心臓などの重篤な疾患に繋がるため、早期発見し進行予防することが重要です。
血管(頚動脈)エコー検査では動脈硬化の有無が分かります。
動脈硬化があった場合は動脈硬化の程度に合わせた治療が必要となります。
手術やカテーテル治療を行う場合は病院へご紹介しております。投薬治療を行う場合は当院で継続的に治療を行うことが可能です。
私はこれまで1000件以上血管(頚動脈)エコー検査を行った経験があり、これまでの経験や知識を踏まえ診療を行っておりますので、動脈硬化や頚動脈エコーに関することなどお気軽にご相談ください。